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紙の種類別の古紙の利用率はどれくらいか。印刷・情報用紙の古紙利用率を上げるには。

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紙のリサイクルを増やしていくことを増やしていくことを考えるにあたって、紙の種類別にどれくらい古紙が利用されているのか、特に利用率の低い情報・印刷系を増やすにはどうしたらよいでしょうか。

紙の種類別の古紙の利用率

古紙再生促進センターの古紙ハンドブックに記載されている
紙の種類別の古紙の利用率は以下のようになっています。用語として古紙消費原単位という言葉を使っていますが

古紙消費原単位=古紙消費量 / 紙・板紙生産量

を表していまして、イメージとしては利用率に近いような数字となります。(実際には歩留まり等あるので使った古紙がすべて紙になるわけではないと思いますので、例えば新聞巻取紙の数字が0.94であったからといって新聞紙の94%が古紙であるといっていいかというと違う気がしますが、それぞれの紙の種類別の違いを見るのには有効な数字だと考えています。)

紙の種類別古紙利用率

古紙再生促進センター古紙ハンドブック2019より作成

新聞用の紙と板紙に比べて印刷・情報用紙の率がかなり低いことがわかります。これはなぜ低くて、改善することができるのでしょうか。

印刷・情報用紙の古紙利用率はなぜ低く、改善できるのか

経済産業省委託調査として矢野経済研究所が平成27年に行っている古紙利用率向上の可能性に関する調査報告書をみるとその背景がわかるような記載があります。

まず、それぞれの紙の種類ごとに利用限界値(理論的限界値) というのがあり、印刷・情報用紙に関しては0.434 、特にきれいな紙である上質系印刷・情報用紙に関しては0.25であると書かれています。

理由として下記のように書かれています。

  • 現状の品質を維持できる利用限界値を設定した。
  • 品質の高い上質系古紙であれば、100%配合は可能だが、現実的に分別回収は不可能。そうした回収面での制約を考慮した。

簡単にいうと、現在求められる白さを維持すること、それを作ることができるような紙を回収を増やすことが現実的に難しいだろうということが理由です。

そして、課題としては

  1. カラー化の進展により、より白色度の高い印刷用紙がユーザーから求められる。
  2. 印刷用紙市場を牽引してきた微塗工紙(中質紙)の需要が頭打ちとなっており、相対的に古紙配合率が高い製品が減少することで、全体の古紙利用率の低下が懸念される。
  3. 森林認証紙など新しい環境対応製品が台頭するなかで、相対的に印刷用紙、コピー用紙に対する古紙配合品のニーズが低下している。
  4. 機密文書について古紙再生促進センターの試算では 60 万tのうち 14 万tが焼却されているとされており、これらの資源化が上質古紙の増加に繋がる。

となっています。日本は白い紙が好きすぎる?世界の中質紙利用率比較でも書いた通り、白さの低い中質紙が利用されることが少なく、より白い紙が求められるようになってきている。また、環境にいいアピールができるFSCなどの森林認証紙などが出てきたので、古紙である必要性が下がってきているといったところがあります。

原料の調達とニーズ両面に問題がありますが、ニーズ面の白さの要求さえもし下げることができれば、原料として使えるものも増えてくるのではないでしょうか。

参考資料

古紙再生促進センター 古紙ハンドブック 2019

矢野経済研究所 経済産業省委託調査 古紙利用率向上の可能性に関する調査報告書

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