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同じ重さの紙でも厚さが違う?なるべく厚い紙を使うには

紙の厚さを表す指標として90kgといった重さの単位が使われていることが、インターネットでの発注が広がって来たことでよく広まってきていますが、同じ重さでも紙の種類によって厚さが違っているので、その内容について説明します。

上質紙・コート紙・マットコート紙一番厚いのは上質紙

紙の種類によって木・パルプの利用量は違ってくる?の記事でも書いたとおり、コート紙・マットコート紙は塗工紙と呼ばれていて、上質紙に表面をなめらかにするような塗工料を塗っています。一般的にコート紙では20g/㎡程度の塗工料が塗られています。(正確にその量というわけではないですが、以下では20g/㎡だとして書いていきます。)同じ重さであれば、パルプの方が塗工量よりも厚くなります。

またコート紙は光沢があり、マットコート紙は光沢が少ないという特徴がありますが、そのコート紙の光沢はスーパーカレンダーという機械を使って圧力をかけることによってできています。なので厚さとしてはコート紙の方がマットコート紙よりも薄くなります。

例えば、90kgという重さであれば、上質紙であれば123μm、マットコート紙は106μm、コート紙は82μmなので、同じ重さでも紙の厚さは厚い順に上質紙・マットコート紙・コート紙となります。

同等の重さで厚みを出す嵩高コート紙

よく書籍などで厚みを出したいけれども重さは増やしたくないといったときに使われる紙で嵩高紙があります。密度を減らすことで同じ重さでも厚さが増しているものになります。

例えば王子製紙のOK嵩高というマットコート紙であれば、94.5kgと少し重さは変わりますが、厚さは132μmとなります。

まとめると下図のようになります。

紙の種類による厚さの違い

パルプの利用量を抑えつつ、なるべく紙の厚さは出したいという場合にはマットコート紙、さらに厚くしたい場合には嵩高コート紙を利用するという選択が考えられます。