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上質紙・中質紙などの種類と木の利用量について

紙の種類の中に上質紙というのがあるのは最近一般的にも広がってきていると思いますが、上質紙(上級印刷紙)の他に中質紙(中級印刷紙)、ざら紙(下級印刷紙)という種類があり、その特徴、木を多く使うのはどの紙なのかなどについて紹介します。

上質紙・中質紙・ざら紙とは

上質紙などの表面に加工がされていない紙を非塗工紙といいますが、それらの中でも上質紙・中質紙・ざら紙と種類が分けられています。違いはパルプの種類と環境に対しての影響で書いたパルプの種類の中の化学パルプ、機械パルプの割合や紙の白色度によって分けられています。

経産省の定義だと上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙というようにわかれていますが、一般的によくみる表現が上質紙、中質紙といった表現なのでそちらで書いていきます。

  • 上質紙:化学パルプ100%、白色度75%以上の紙
  • 中質紙:化学パルプ40〜90%以上(機械パルプ10〜60%以下) 白色度65〜75%前後の紙
  • ざら紙:化学パルプ40%未満(機械パルプ60%超)白色度55%前後

といった具合になっています。中質紙は教科書や雑誌、書籍の本文としてよく利用されています。ざら紙はマンガ誌の本文などで利用されているものになります。

上質紙・中質紙・ざら紙の木の利用量に違いがあるか

パルプの記事で書いたとおり、化学パルプと機械パルプで歩留まりが違います。化学パルプは木の重量が100あったら40〜50、機械パルプであれば木の重量が100あったら95程度とれると言われています。そのため同じ重量の紙であれば、紙が上質になるほど(白色度があがるほど)利用している木の量は多いといえます。(もちろん最新では歩留まりがもっとよいかもしれないですし、作成にかかるエネルギーの違いなどもありますが。)仮に化学パルプの歩留まりを50%、機械パルプでの歩留まりを95%とすると、100あたりの紙を作成するのに必要な木の量は上質紙では200、化学パルプ90%の中質紙では191、化学パルプ50%の中質紙では153、化学パルプ30%のざら紙では134となります。

紙の種類別木の利用量

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