リサイクルの紙を増やす、紙に利用する木の量を減らすといったことを目指す時に、特に日本においては紙の白さを重要視しすぎているように感じることが多いので、世界との違いという観点でみてみたいと思います。
まずは上質紙・中質紙などの種類と木の利用量についてでも書いた通り、紙の白さが劣る中質紙の方が木から取れる歩留まり率が高いのでより木の利用量は少なくて済むということで、世界で中質紙がどれくらい使われているのかを見てみたいと思います。
日本は中質紙の利用率が低い
FAO Yearbook of Forest Productsにある2017年の紙の消費量のデータを元に比較します。Uncoated mechanical paperというのが90%未満の化学パルプを利用している紙で、Uncoated woodfree paperが90%以上の化学パルプを利用している紙です。日本の定義的にはこれも中質紙が含まれるのですが、簡単のためにUncoated mechanical paperを中質紙、Uncoated woodfree paperを上質紙として見ています。Coated papersを塗工紙としてみて、その3つを足し合わせたものの上位5ヶ国と上質紙+塗工紙の占める割合(まっ白の紙の割合)が下図のグラフです。
日本が真っ白な紙の割合が91%と最も高く、一番低い中国では26%になっています。
他の理由もあるので一概に白い紙が好きすぎるとはいえないですが、日本は世界の紙の消費量の多い国の中で一番白くない紙を使わない国であることは言えます。